PCa工法とグラウト注入
PCa(プレキャストコンクリート)工法とは、工場であらかじめ製作された柱や梁を現場で組み立てていく施工方法です。この部材同士を一体化させるために行われるのが「グラウト注入」です。
柱や梁の接合部に設けられたシース(貫通孔)へグラウト材を充填することで、鉄筋とコンクリートを一体化させ、構造体としての強度と耐久性を確保します。
ATLの主力事業「PCa接合部グラウト施工」
柱主筋を貫通させた孔へグラウトを充填し、構造部材同士を一体化させる工事です。確実な充填・硬化により、上階の施工へと工程を進めることが可能となり、工期短縮にも大きく寄与します。
グラウト注入の施工手順
現場での作業は「型枠」「練り」「注入」の3つが大枠となります。ATLでは各工程に管理項目を定め、充填不良を出さない体制で施工しています。

木枠で目地を囲う
接合部の目地を木枠で囲い、固定します。グラウトは流動性が高く、わずかな隙間からも漏れ出します。ここでの納まりの精度が、そのまま充填率に直結する工程です。

グラウト材の練り混ぜ
専用グラウト材と水を規定の配合で計量し、練り混ぜます。水量・練り時間・練上がり温度を管理し、流動性を確認してから使用します。練り上がったグラウトはふるいを通してポンプへ移し、ダマや異物を取り除いてから注入に移ります。

グラウトの圧入
グラウトポンプで下部の注入口から圧入します。内部の空気を押し上げながら充填し、上部の排出口からグラウトが安定して出ることを確認して完了とします。

養生・充填確認
所定の強度が発現するまで養生します。あわせて供試体を採取して圧縮強度試験を行い、木枠の解体後に充填状態を目視で確認。ここまでを1セットとして、次の階の工程へ進みます。
施工箇所と対応範囲
ATLの現場では、モルタル充填式継手を用いたグラウト施工が標準です。1つの階で受け持つ箇所は大きく3つに分かれ、現場ごとの納まりの違いにも対応しています。
柱脚の下目地
柱PCa部材の下端と、下階の躯体との間にできる水平目地への充填です。建入れ調整のうえで周囲を塞ぎ、注入口から圧入して、排出口から出てくることを確認します。
仕口部の目地
柱脚の上部と梁の下部が取り合う目地への充填です。柱と梁が一体化する部分にあたるため、隅々まで確実に行き渡らせる納まりの見極めが要点になります。
梁主筋の継手
梁と梁をつなぐモルタル充填式継手への充填です。継手1本ずつに注入し、排出口からの溢出によって1か所ごとに充填を確認します。
柱脚と仕口部の一体注入
現場によっては、柱脚の下目地と仕口部の目地を分けずに一体で注入する納まりがあります。充填経路が長くなるため、漏れ止めと充填確認をより慎重に行います。
施工技術と品質管理体制
品質確保のため、専用のグラウトミキサーポンプを使用し、注入圧力や流量を徹底して管理しています。温度管理や流動性確認など、品質管理を各工程で実施し、安定した施工品質を確保しています。
圧力・流量管理
専用のグラウトミキサーポンプで、注入圧力と流量を数値で管理します。
温度・流動性確認
気温や材料温度による品質変化を防ぐため、各工程で確認を行います。
工程管理・工期短縮
確実な充填・硬化管理により、上階工事への移行をスムーズにします。